蟲(chóng)をだましておびき寄せる花の臭いにおい、植物3屬それぞれで酵素が進(jìn)化 國(guó)立科學(xué)博物館など

　腐った肉のような臭いにおいで昆蟲(chóng)をおびき寄せて花粉を運(yùn)ばせる花について、においに関わる酵素の進(jìn)化が異なる3屬の植物で獨(dú)立に生じていることを國(guó)立科學(xué)博物館などのグループが明らかにした。進(jìn)化は2つか3つのアミノ酸が置換するだけで起きていた。においが生まれる仕組みまで遺伝子レベルで明らかにしており、今後、生物の教科書(shū)で「収斂進(jìn)化」の代表例として紹介されてもおかしくない成果と思われるという。

　東南アジアにある巨大な花を咲かせるラフレシアやショクダイオオコンニャクは、腐った肉のような臭いにおいで昆蟲(chóng)をだまし、花の中におびき寄せる。花の中で動(dòng)き回った蟲(chóng)には花粉がつき、その蟲(chóng)が別の花におびき寄せられることで受粉を擔(dān)う。これは典型的な生物擬態(tài)の中の「腐肉擬態(tài)」で、生物進(jìn)化の研究テーマのひとつだ。ただ、腐肉擬態(tài)が植物のなかでどのような進(jìn)化を経て生じたのかは、腐肉擬態(tài)をするものとしないものが含まれた近縁種で比較研究をする必要があり、そういう植物のグループを探すのが難しい。

　國(guó)立科學(xué)博物館筑波実験植物園の奧山雄大研究主幹（進(jìn)化生物學(xué)）らは、日本の固有種のカンアオイ屬50種ににおいの強(qiáng)弱があることに注目。臭いにおいの元が2つの硫黃とメチル基を含むジメチルジスルフィドであることを確認(rèn)した上で、カンアオイ屬26種30個(gè)體（系統(tǒng)）の花で、系統(tǒng)ごとにどんな遺伝子が多く働いているかを確認(rèn)できるトランスクリプトーム（全発現(xiàn)遺伝子）解析を?qū)g施した。

　その結(jié)果、硫黃代謝に関わる遺伝子を2つ発見(jiàn)した。この2つの遺伝子からできる組換えタンパク質(zhì)をつくると「SBP」というアミノ酸約500個(gè)からなるタンパク質(zhì)を見(jiàn)出した。機(jī)能を調(diào)べると、においの元のジメチルジスルフィドを作る酵素の働きがあった。

　においの元を作る酵素とみられるSBPはアミノ酸配列の違いから3つのサブタイプがあった。そのうちのひとつは、ヒトを含む動(dòng)物やバクテリアにも存在する酵素と同じ働きがあった。奧山研究主幹らは、カンアオイが屬するウマノスズクサ科とは、科レベルで異なるグループに屬するけれども臭い花を咲かせるトクノシマカンアオイ、ザゼンソウ、ヒサカキ、ショクダイオオコンニャクなども含めてSBPの遺伝子配列から系統(tǒng)樹(shù)を作製した。

　遺伝子の進(jìn)化過(guò)程を追うと、SBP遺伝子の重複で遺伝子がゲノム內(nèi)に2つになり、片方のSBPがジメチルジスルフィドを合成するように変化しているらしいことが分かった。SBPのサブタイプの比較をすると、においを合成できるかできないかは2つか3つだけのアミノ酸の違いで決まっており、それぞれの臭い花で獨(dú)立して進(jìn)化しているという結(jié)果が出た。

　一連の結(jié)果から、臭い花への進(jìn)化の道筋は限られており、獨(dú)自に臭い花を進(jìn)化させた3つの植物群は全く同じプロセスを経て全く同じ機(jī)能を持つ酵素を獲得したと解釈できるという。

　奧山研究主幹は「花が『臭いにおい』をどのようにして作り出せるようになったのか、という進(jìn)化の謎を分子レベルまで落とし込み、さらにその臭いにおいを生合成するメカニズムが分子収斂進(jìn)化していることまで示した點(diǎn)で、生物が新たな能力を獲得する進(jìn)化メカニズムの非常に分かりやすい例が明らかになった。教科書(shū)に載ってもおかしくない成果だと思っている」としている。

　研究は、國(guó)立遺伝學(xué)研究所や東京大學(xué)、昭和醫(yī)科大學(xué)、長(zhǎng)野県環(huán)境保全研究所、宮崎大學(xué)、東北大學(xué)、情報(bào)?システム研究機(jī)構(gòu)ライフサイエンス統(tǒng)合データベースセンター、龍谷大學(xué)、慶應(yīng)義塾大學(xué)と共同で、日本學(xué)術(shù)振興會(huì)科學(xué)研究費(fèi)助成事業(yè)や科學(xué)技術(shù)振興機(jī)構(gòu)（JST）戦略的創(chuàng)造研究推進(jìn)事業(yè)の支援を受けて実施した。成果は、5月8日刊行の米科學(xué)誌「サイエンス」に掲載された。

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