結(jié)婚できる年齢 なぜ変わる？ 春から男女とも18歳に｜18歳 成人年齢｜NHK

2022年3月11日

ことし4月から成人年齢が18歳に引き下げられます。

これに伴って“結(jié)婚できる年齢”も変わります。

男女ともに、18歳にならないと結(jié)婚することができなくなるんです。

なぜ変わるの？どうして18歳なの？

背景や経緯について、法務(wù)省民事局の笹井朋昭參事官に話を聞きました。 （成人年齢取材班記者 小倉真依）

4月から女性が結(jié)婚できる年齢が変わります。

これまで男性は18歳、女性は16歳にならないと結(jié)婚できませんでしたが、ことし4月1日から、女性が結(jié)婚できる年齢が18歳に引き上げられるんです。

男女ともに結(jié)婚できるのは18歳からということになります。

（民法731條） 改正前「男は、18歳に、女は、16歳にならなければ、婚姻をすることができない」 改正後「婚姻は、18歳にならなければ、することができない」

結(jié)婚すると、親から獨立して夫婦で１つの家庭を作って共同生活していくことになります。社會で自立して生活していくだけの責(zé)任や能力が求められますし、子どもが生まれた場合には子どもに対する責(zé)任も出てきます。

そのためあまり若すぎる年齢で結(jié)婚できないようにルールが定められているんです。

もともと男女で年齢に差があったのは“身體的な成熟度”が重視されていたからだと思います。男性と女性とでは、心身の発達の度合いに違いがあり、女性の方が発達が早いとされていました。

それが時代の変化に合わせて、社會での経験や、家庭を支えていく経済力を重視すべきとなったんですね。

夫婦として共同生活を送るために必要な社會的?経済的な成熟度というのは、男女で違いはないわけです。そこで年齢に差があるのはおかしいということで、統(tǒng)一することになりました。

國連からも男女差を解消するよう求められていました。

そもそも結(jié)婚できる年齢っていつから定められるようになったんでしょうか？

日本で初めて結(jié)婚できる年齢が決められたのが、今から124年前、明治31年です。

當時は男性が17歳、女性が15歳でした。

どうして、その年齢だったんですか？

當時の民法の立案に関わった法律家が書いた本によると、早婚による弊害があるというんですね。

例えば、若すぎる年齢で女性が子どもを産むと身體的に負擔(dān)がかかるとか、風(fēng)紀の亂れにつながるといったような考えがあったんだと思います。醫(yī)科大學(xué)の研究とか外國の統(tǒng)計、學(xué)者の意見を參考にして、決めたようです。

そのあと、終戦から間もない昭和22年の民法改正で、男女ともに1歳ずつ引き上げられて男性18歳、女性16歳になります。

自立して生活を送る社會的?経済的な能力を考えると15歳や17歳ではまだ早いのでは、となったようです。

そして、今回の法改正で男女の違いをなくし18歳で統(tǒng)一することになりました。

今の日本社會では、高校進學(xué)率は98％を超えています。

學(xué)歴がすべてではないですし、中學(xué)を卒業(yè)して社會人になっている人もいますが、多くの人は高校を卒業(yè)して、その後、社會に出ていくことになります。

結(jié)婚できる年齢も、それと同じくらいの社會的?経済的な成熟度を身につけているほうがいいんじゃないかという判斷になったんですね。

高校生どうしでも結(jié)婚できます。 これまでも年齢的には可能でしたが、未成年で結(jié)婚する場合には、親の同意が必要でした。

しかし、成人年齢が引き下げられ、これからは18歳で成人となりますので、親の同意がなくても、お互いの合意があれば、結(jié)婚できるようになるんです。

18歳にならないとできません。18歳未満で女性が妊娠した場合、例外的に結(jié)婚を認める案も検討はされました。

しかし、心身の発達や社會的、経済的に未熟な若者を保護する観點から「18歳にならないと結(jié)婚できない」という原則をつくったのに、例外を設(shè)けるとその趣旨に反してしまいます。このため例外は設(shè)けないことになりました。

ただし、法改正後も、ことし4月1日までに16歳以上になっている女性は、妊娠の有無にかかわらず結(jié)婚できます。現(xiàn)在16歳や17歳で、すでに結(jié)婚を予定しているという人も想定されるためで、民法改正で結(jié)婚の予定を妨げないよう配慮しています。この場合、親の同意が必要です。

自分の生き方を変えようとしたら、実は契約というのが大きな手段なんです。

例えば大學(xué)に行くのも學(xué)校との契約。どういう街に住みたい、どういう仕事につきたい　というのも、実現(xiàn)には契約が必要です。成人して契約が１人でできるということは、自分の生き方や夢を?qū)g現(xiàn)する力を與えられたということなんです。もちろんそのための責(zé)任も伴います。

結(jié)婚も1つの約束ごと。自分のクオリティ?オブ?ライフを左右することですから、よく考えて決斷してほしいですね。

ネットワーク報道部記者

小倉 真依

2007年入局 鳥取局、大阪局、盛岡局、首都圏局を経て現(xiàn)所屬。 教育や人権などをテーマに取材